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念願かなって、ようやく「フェルメール展〜光の天才画家とデルフトの巨匠たち」を東京都美術館へ見に行った。
既に開催から3カ月も経過しているというのに、今なお大混雑。フェルメールの人気の高さを改めて痛感する。
早朝に家を出て、上野に8時半に着き、みどりの窓口でチケットを購入、いざ東京都美術館を目指したところ、到着は開館時間びったりの9時。しかし、美術館入り口では既に長蛇の列…。なんてこったい。幸いなことに、チケットをみどりの窓口で購入して行ったので、美術館内にあるチケット販売所で並ばずに済んだが、それでも、入場の列も制限されているほど。(そう、早朝入場の場合、チケット購入の列で並び、さらに入場するのに並ぶので、できれば事前にチケットを購入しておくのがよい)
それでも、列の前の方だったおかげで、多少、足止めされたものの、すんなり入れ、まっさきに2Fにあるフェルメール作品のエリアへ。この企画展は順路を決められていないので、自由に見学できるのだ。前半はデルフトの画家たちの絵が並んでいるが、順番に見たいという人たちでいきなり混雑している。こんなところでドン詰まっていたら、フェルメールにいつたどり着くか分からない。ということで、私は直行。
最初に出迎えてくれるのは「マルタとマリアの家のキリスト」。視界に飛び込んできた瞬間、感動のあまり泣きそうになってしまった(苦笑)。おお、これが憧れ続けてきたフェルメールの絵か〜〜!と思うと震えてきた。次は「ディアナとニンフたち」、さらに次は、今回の展覧会で最も見たかった「小路」。現存するたったフェルメールの風景画は、プルーストが「世界でもっとも美しい絵」と形容したと言われる「デルフト眺望」と、この「小路」の2点だけだ。実際に見てみると、レンガの質感が圧巻。さらに、印刷物で見ていたよりはるかに美しい空の青。淡くて柔らかい空色。フェルメール・ブルーの一端を垣間みることができて感激。
さらに今回は、「ワイングラスを持つ娘」「リュートを調弦する女」「手紙を書く婦人と召使い」と、いずれもフェルメール特有の、左側から光が入ってくる独特の構図の風俗画が並んでいた。その光の表現は言葉では言い尽くせないもので、ただただため息。おそらく口をぽかんと開けて、魅入っていたに違いない(汗)。あの柔らかい光は何だろう。ぱっと遠くから絵を見た時、まるで絵の中で発光しているように見えた。光が描かれている、というよりも、本当に絵の中で光が生まれ、発光しているように見えるのだ。その柔らかく、どこか神々しい光は、見ている者の心を静かに捕らえてしまうような、ちょっと魔的な力を含んでいるように思う。
そして最後に、贋作と言われながらも真作との判定を受け、2004年にオークションで32億円で競り落とされたという話題の「ヴァージナルの前に座る若い女」。ぶっちゃけ、一番期待してなかった絵だが、結果的には、この絵に最も心奪われた。本で見ていた絵は、若い女の羽織っているストールの質感が、どうもベタ塗りで芸がないように見えたのだが、実際の絵はまるで違う。スカートの質感などは、他のフェルメール作品に見られるような繊細な質感が表現されていた。さらに圧巻だったは、背景に描かれた壁だ。この絵も左から光が入っているが、よくある構図に見られるような窓やら窓辺のカーテンなどは描かれていない。が、その光が部屋に差し込んでくる様子は、壁の明暗だけで表現されており、この壁が神がかり的に美しく、思わずため息がこぼれてしまった。ああ、この光は、光の天才画家以外、一体誰に描くことができようか、と素人の私ですら思ってしまうほどだった。本当に小さな絵だが、存在感は一番あったのではないだろうか。
というわけで、一緒に展示されていたデルフトの巨匠たちの絵もその後ざっと見たが、フェルメールを見た後ではどうも感動が薄れてしまう。光の描き方が似ているようでまるで違うのだ。勝手な想像だが、当時の画家仲間もフェルメールの作品を見て嫉妬しただろうなぁ。ダリがフェルメールに高い関心を寄せており、「レースを編む女」の“贋作”を描くほどだったのも、(恐れ多いけど)分かる気がする。いやはや、「光の天才画家」と呼ばれるゆえんが、生で絵を見ると納得できる。
うーむ。こうなると、今回、出品取りやめになった「絵画芸術」を見にウィーンに行きたくなってくる!フェルメール巡礼とはよく言ったもので、一度、フェルメールの魔法に掛かってしまうと、どうにも踏破したくなるものなんだなあ。まあ、ひとまず、今回7点の作品を生で見ることが出来て本当によかった。また、どこかの美術館が企画展をやってくれないものだろうか。
【大混雑のフェルメール展を見る為の裏技】
美術館に行く前に、上野駅のみどりの窓口(新幹線乗り場近く)でチケットを買っておこう。美術館が開く9時前からチケットを買えるので便利。みどりの窓口に行ってもポスターや張り紙などは一切出ていないが、窓口の人に言えばちゃんと発券してくれる。なおここでは「絵入りの券ではないですがいいですか?」と聞かれるが、実は美術館で入場する際に、絵入りの半券をくれるので、「絵入りの半券を記念にとっておきたいんだもーん」という人でも全く問題ない。これなら、チケット購入で並ぶ必要はなく、入場する列の方へ進めるので、土日祝日に訪れる人は、ぜひこの方法をお試しあれ。