2008年7月26日から東京都現代美術館で始まった「スタジオジブリ・レイアウト展」へ初日に行って来ました。
予約制でゆっくり見れると思いきや、いやはや全国から、いや世界からジブリファンが集まってきている為か、やっぱり大勢の人が詰めかけており、展示会場はかなりのにぎわいでした。あれで入場制限しているのだから、してなかったらどうなっていたんだろう?と思うとぞっとします。
とはいえ、約1300点の直筆のレイアウトをなめるように間近に見ることができ、「みや」とサインされた宮崎駿先生直書きのコメントや細かい指示、鉛筆の消された跡などから、宮崎駿先生の熱い想いやイマジネーションの一端をかいま見ることができたので大満足ではあります。
今回、レイアウトという、これまで知らなかったアニメーション現場での行程を知ることができ、以前自分が関わっていた新聞制作の現場を振り返るいいきっかけにもなりました。質向上とアニメーション全体のテイストを統一するために、そしてコスト削減や効率アップのために生まれてきた、このレイアウトという作業は、新聞制作におけるレイアウトとはかなり意味合いが違いました。新聞の場合は、全体の統一感などはあまり考えることはなく、短時間に担当する面をなんとなく受け継がれている伝統の「暗黙ルール」に従って記事や見出し、写真の配置を決めていく作業になります。おそらく、私がずっと新聞制作の現場で違和感を感じてきたのは、このアニメーションにおけるレイアウト作業がないからかもしれない、と思えてきました。
アニメーション制作現場における「レイアウト」とは?
企画→脚本→絵コンテ→レイアウト→(CG、作画、背景)→撮影・合成…
レイアウトとは、絵コンテで決められたおおまかな構図をもとに、具体的にカットごとの画面を設計する作業。絵コンテが映画全体の設計図だとすれば、レイアウトは個々の画面のカットの設計図といえる。この設計図をもとに、このあと、作画や背景などそれぞれ専門の担当者が分業をするため、重要な道しるべとなる。このレイアウトという作業は、「アルプスの少女ハイジ」で高畑勲と宮崎駿によって初めて本格的に導入されたと言われている。
印象的だったのは、この展示会の展示作品をまとめた書籍「スタジオジブリ・レイアウト展」の中に寄稿している高畑勲さんが「宮崎駿という希有な才能があったればこそ、『レイアウトマン制度』をとった」と述べていたことです。理想とする具体的な形を頭の中で完璧に描ける才能があったかこそ、いわば独裁ともいえるレイアウトマン制度が現場で生きてくるんだそうです。ある意味、とてもリスキー。具体的なイメージもないまま、ただ俺様的に仕切りたがる上司がもしもレイアウトマンを担ったなら、出来上がる作品の質は推して知るべし。というよりも、スタッフに混乱をもたらし、最後にはみな去ることを選択するでしょう。多くの職場で、大なり小なり独裁チックな上司がいると思いますが、哀しいかな、具体的なゴールを描けている上司が殆どいませんね(笑)。
こんなことまで思いが広がった展覧会でしたが、何はともあれ、私がちょっと誤解していたのは、宮崎駿という人は、もちろん、レイアウトマンとして超一流だということはもちろんですが、ものすごく絵がうまい人だ!ということです。ただうまい人というんではないんです。とんでもなくうまいんです。とんだ誤解でした。世界の宮崎駿に対してなんてことを、と思われるかもしれないけれど、今回の鉛筆書きのレイアウトを見たら、きっと誰もが第一印象として思うことは、「うますぎる!」ということではないでしょうか。一本一本の鉛筆の線が本当に躍動感があって、人物や物の形の捉え方から動きまで、とにかくうなるほどうまい。「ああ、絵がうまい、というのは、こういうレベルの人のことを言うのだ」と、正直恥ずかしくなりました。(これまで「絵がうまいね」と言われたり、「絵が得意です」と言っていたけれど、足元にも及ばないと痛感した)圧倒的です。作品になってしまうと、その迫力がだいぶ薄れてしまっているんだな、という印象すら受けました。
最新作では、鉛筆の映画を作ろうと、手描きにこだわったそうですから、これまでの映画とはひと味違い、宮崎駿先生本来の迫力のある絵が楽しめるのかもしれません(まだ見てないんです…汗)
なぜ、こんなに宮崎駿先生は絵がうまいんだ!!!と思っていたら、そのヒントとなりそうなインタビューがありました。ああ!!これを見たら、ますます好きになりました。そばで学びたい〜〜!!
9月までやっているので、また見に行きたいな〜。
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